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家賃滞納リスクへの備えとは?

入居者の家賃滞納は、非常に深刻な問題です。ある意味、空室リスクよりも大きな問題と考えたほうが良いかも知れません。ここでは、いかなる入居者にも生じうる家賃滞納リスクについて、不動産オーナーが認識しておくべき重要なポイントを解説します。

【目次】
  1. 家賃滞納リスクとは
  2. 家賃滞納リスクへの対策
  3. 家賃滞納リスクの注意点
  4. 不動産投資のプロ

家賃滞納リスクとは

家賃滞納リスクとは、入居者に何らかの理由が生じ、決まった家賃を支払えなくなるリスクのことを言います。

当初は支払える見通しで、なおかつ一定の信用審査も経た入居者なので、当初の状態に変化がなければ、家賃滞納はほとんど起こらないでしょう。よって、家賃滞納が発生する背景には、何らかの物理的な理由が存在していることが大半です。

家賃滞納の背景にあるものとして、たとえば以下のものが挙げられるでしょう。

  • 入居者のリストラ
  • 入居者の勤務先の倒産
  • 入居者の休職(病気など)
  • 親族における理由(親族の介護など)

滞納が続く入居者を退去させること以外にも、次の入居者の募集活動も行わなければなりません。

しかしながら、すぐに次の入居者が現れるとも限りません。督促を続けるべきか、それとも退去させるべきか。オーナーや管理会社にとって、家賃滞納は単なる空室リスクよりも厄介な問題になるケースもあります。

家賃滞納リスクへの対策

家賃滞納リスクへの備えとして、管理会社やオーナーは主に次のような対策を採っています。

管理会社の対策

入居者の審査基準を厳しくする

入居者が確実に家賃を支払ってくれる人かどうかの信用調査は、基本的に管理会社が行います。管理会社では、この調査の段階において審査基準を厳しくすることにより、のちの家賃滞納リスク対策としています。

たとえば、信頼できる企業に常勤し、かつ月収が家賃の3倍以上であれば、おおむね家賃滞納のリスクがないと判断します。また、リストラや勤務先倒産、本人の病気などによる家賃滞納リスクに対しては、確実にこれを保証できる連帯保証人を付けてもらうなどして対応しています。

オーナーの対策

管理会社と滞納保証契約を結ぶ

滞納保証契約とは、万が一入居者が家賃を滞納した場合、その家賃分について管理会社や信販会社が補償してくれる契約のこと。入居者に対し、管理会社等が家賃を立て替える形でオーナーに家賃を支払います。

家賃滞納リスクの注意点

入居者が家賃を滞納していないと表明し、かつ5年間にわたり家賃を支払わなかった場合(※消滅時効の起算点は、各回の家賃の支払日からとなります)、家賃の支払い義務は時効を迎えます。

家賃滞納が時効を迎えないよう、オーナーは次のような点に注意し時効の中断を考えましょう。

訴訟や支払督促などの裁判上の請求をする

家賃督促状に署名・捺印させる

家賃督促状に入居者の署名・捺印をしてもらうことにより、家賃滞納の事実を本人が認めたとみなされ、時効の進行は止まります。

一部弁済をするなどの債務の承認をする

入居者に家賃の一部でも支払わせる

滞納中の家賃の全額ではなくとも、一部でも入居者に支払ってもらうことにより、入居者に家賃の支払い意志があるとみなされて時効の進行が止まります。

滞納リスクを減らすためのポイント

上述のとおり、滞納リスクに備えるための方法としては、管理会社が入居者の審査を厳しくしたり、またはオーナーが管理会社等と滞納補償契約を結ぶことが一般的です。

さらに滞納リスクを低くしたい方は、次の2つを検討してみましょう。

連帯保証人制度ではなく家賃保証会社を利用する

入居者が家賃を支払えなくなった場合、管理会社は連帯保証人に家賃を督促します。しかしながら、連帯保証人すら家賃を払ってくれない場合には、管理会社はお手上げです。

そのような事態にならないよう、昨今では、入居者に対して家賃保証会社のサービスへの加入を入居条件とするオーナーも増えてきました。

家賃保証会社のサービスに加入していれば、家賃の滞納が生じた際、入居者に代わって保証会社が家賃を支払ってくれます。

ただし、このサービスの利用料を払うのは入居者。契約時には入居者に対し、保証サービス利用の趣旨を十分に納得してもらう必要があるでしょう。

定期借家契約にする

定期借家契約とは、契約した時期が到来すると、自動的に賃貸契約が消滅するタイプの契約のこと。家賃滞納の状態のまま住み続ける悪質な入居者への対策として有効です。

ただし定期借家契約は、オーナー側に有利な契約ということもあり、入居者の募集に苦労することがある点にご注意ください。

家賃滞納が続いた場合の対処方法

先に、滞納家賃の時効を延ばす方法をご紹介しました。しかしながら、たとえ時効を延ばしたとしても、オーナーにとっては家賃が入ってこなければ意味がありません。

万が一、入居者が家賃の一部支払いや督促にも応じず、泰然として部屋に住み続けた場合、オーナーはどのように対処すべきでしょう?

3ヶ月の滞納が続いたら裁判を起こす

3ヶ月以上の滞納が続いたら、裁判を検討しても良いでしょう。

2019年6月21日、「家賃を2ヶ月滞納した場合には強制退去させることができる」と規定した某・家賃保証会社の契約条項について、大阪地裁はこれを「保証会社による不法行為に当たる」と指摘しました。一方で、「3ヶ月以上の家賃滞納が続いた場合には、保証会社の事業におけるリスクコントロールの意味において、強制退去させることも不合理ではない」とも指摘しました。

賃貸物件における入居者への退去勧告は、現実的にも法的にもデリケート問題です。よって、実力行使による強制的な退去は好ましくありません。

ただし、もし家賃を3ヶ月以上滞納しても入居者自らが退去しない場合には、裁判を起こすことを検討してみても良いでしょう。先般の大阪地裁の判決に照らせば、オーナーにとって合理的な判決が下されるものと思われます。

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不動産投資のプロ
東京日商エステム中山課長

東京日商エステム 課長

中山裕嗣

万が一の家賃滞納に備えて
滞納保証契約を

ローンを組んで不動産投資を行っているオーナーにとって、家賃滞納は非常に深刻な問題です。なぜならば、たとえ家賃滞納で収入が途絶えたとしても、ローンの支払いは待ってくれないからです。

家賃滞納が続いた結果、ローンの返済が不可能となり、最悪の場合、その不動産を手放さなければならなくなるかも知れません。そうなると、不動産投資そのものが台無しになります。

ローンで不動産オーナーになった方々は、家賃滞納がいかに大きな問題かを理解してください。そのうえで、万が一の家賃滞納リスクに備え、管理会社と滞納保証契約を結んでおくことをお勧めします。

不動産投資会社に事前にしっかり相談することで防げることが多くありますので、パートナー選びも重要なポイントとなるでしょう。

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